投稿日:2020年12月13日

改修と修繕、さらに補修とは?それぞれの違いを説明

カテゴリ大規模修繕

マンションの大規模修繕などを計画していく際に「修繕」「補修」「改修」といった言葉を聞くことがあるかと思います。それぞれの言葉の違いは何でしょうか?

修繕イメージ

修繕とは

修繕工事とは一言で表すと、できる限り、見た目も含めて、建物を建設当初の水準にまで戻す工事のことを言います。

従って、工事に使用される材料等もできる限りは当初と同じものか、あるいは、それに近い材料で工事します。

 

建築物には耐用年数があり経年や外的要因等で劣化したり不具合が生じたりしますが、そうした建物や建物の一部、設備や部材などに対して修理や取替などの処理を行い、該当箇所の性能や機能が支障なく利用できる状態にまで回復させる作業となります。

 

また、マンションなどのビルの外壁の修繕は足場を組む必要があり、そのコストが高いため、単に頻繁に修繕すればいいというものではなく、必要以上に短い期間で大規模修繕工事を行うことは、修繕積立金不足につながる問題もあるため、「早すぎず、遅すぎず」という適切な修繕工事のタイミングを見極めることも重要です。

 

このように大規模修繕工事は、建物の資産価値を回復させる、また、建物全体の寿命を延ばす効果があるため、応急処置的なものではなく、適切な長期修繕計画に基づいて行われることが大切です。

大規模修繕に関しては以下の記事でも詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
ビルの大規模修繕で大切なこととは? 建物の資産価値を長く保つために

補修とは

修繕工事が、経年による劣化を新築時の機能や見た目まで元に戻すために、基本的には一定の年数ごとに計画的に行われることに対し、補修工事とは劣化や不具合が生じた場合に、その都度、実用上問題ない程度まで補う応急処置的な工事となります。「小修繕」とも呼ばれています。

 

例えば、漏水部分を見つけてシーリングの打ち換えを行うといった内容で、修繕は「新築時並みにする」のに対しては、補修は「その場の一時しのぎ」的な工事というイメージです。

 

部分的な補修工事は、劣化箇所を、どんな材料でどこまでの程度にするか、ということだけで行う前提ではありますが、「補修」のつもりで施工業者と打ち合わせているうちに、その場しのぎではない、新築時に限りなく近くする「修繕」に変更したくなる、あるいは、補修工事のついでに周辺を診断してみたら、抜本的に「修繕」をした方がいい、といったことが見つかるケースもあります。

 

建物寿命を延ばすうえでは、当初の大規模修繕計画の予算にこだわることなく、何か問題が見つかった場合は、なるべく早急に適切な補修を行うことが大切です。

改修とは

改修工事とは、建物の性能や機能を建築初期よりもグレードアップさせ建物の資産価値を向上させるための工事となります。例えば耐震性や断熱性の向上、警備システムの強化、バリアフリー化、省エネ化のための工事など様々な種類があります。


また、今では、見た目も含めて大幅な改修を行う工事を「リノベーション」、オフィスを住居にするといった用途変更まで行う改修工事は「コンバージョン」という言葉も一般化しています。
大規模修繕工事はできる限り「新築時の状態に戻す」という目的であり、建物のハード的な劣化対策ですが、10年、20年という長期の間には、インターネットのような新しいテクノロジーの発達や、様々な要因による世の中の価値観の変化といったことも起きますので、賃貸ビル等においては、そうした社会的なニーズに合致しないと「陳腐化」というソフト面での劣化も起きます。

 

このように、改修には、建物や設備のハード的な劣化を修繕するだけでなく、時代やライフスタイルの変化にあわせて、改修工事を行うことで築年数の長い建物でも入居者への魅力につながり、経年劣化による賃料の低下や空室の発生をできる限り回避して、建物の価値を高く維持していくという効果があるため、「修繕」や「補修」が「守りの工事」とすれば、「改修」は「攻めの工事」ということもできます。


そういう意味では、「改修」は「修繕」や「補修」のように、何をどこまでやればいいのか、という唯一の答えがなく、マーケット調査や日頃の様々な情報に基づいた肌感覚でのセンスといった、複合的でトータルな判断で「費用対効果」を仮設立てて実施するという、ある意味、前向きに「リスクテイクする」といった気持ちが必要であり、「修繕」や「補修」が資産価値を最大限高める工事だとすれば、改修は総合的資産管理、あるいは前者は横文字で言えば「プロパティマネジメント」的な工事、後者は「アセットマネジメント」的な工事とも言い換えることができるかもしれません。

建築基準法の大規模な修繕と模様替え

上記の一般的な工事業者間での用語と法令の中では、少し異なる言葉が使われていますので、ご紹介しておきます。

・大規模の修繕=建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕
・大規模の模様替=建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替

「修繕」については、特に違いはありませんが、「模様替」の言葉に少し違和感があるかもしれません。
「模様替」というと、屋内の工事に限定されているようなイメージですが、実は、工事業者等の見積書では、この「模様替え」の工事を「改修工事」として表記していることが一般的です。
「外壁模様替え工事」というより「外壁改修工事」という方がしっくりくるため、慣習的に「模様替え工事」という言葉は使っていないのかもしれません。

この記事を書いた人

C+One 編集部 (北辰不動産株式会社)

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