中古オフィスビルの大規模修繕事例|ただ修繕するだけでなくイメージアップにつながる改修とは

- 管理建築士
- 森峰 恒平
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古くなってきたビルをお持ちのオーナー様にとって関心事の一つがビルの修繕かと思います。この記事では築31年のオフィスビルの改修内容とどういった経緯で修繕を行っていったかご紹介してまいります。
改修内容
外壁修繕
もともとはタイル仕上げの外壁だったビルですが、タイルの剥離と落下を懸念し改修を行いました。
改修はピンネット工法を利用しタイルの落下を抑えるとともに、石目調の特殊な塗装を行って石割のような雰囲気に変えるリニューアルを行いました。
タイルの場合ですと10年に一度法定検査で打診検査も必要で、タイルの張替えが必要となった際に元のタイルが無く外観上ちぐはぐになってしまうこともあります。吹き付け塗装にすることで、メンテナンス性も見た目も改善しビルの資産価値向上には有効でした。

バルコニーやサッシ
バルコニーやサッシにおいてもせっかく改修した外壁が雨水等により汚損させないように様々な工夫を凝らしています。バルコニーではLアングルをつけて水を切ることで雨水を巻き込んで汚れを誘発させないようにしました。サッシの水切り材も石目調の外壁塗装で壁面がふけてきますので、既存水切り材の上にさらに出が大きい水切り材をカバーして「散り」を残すような工夫をしました。

ベントキャップ
ただ付け替えるだけのような部分的な改修に関しても、細部に関してかなり気をつけて改修を行いました。例えばベントキャップと呼ばれる換気口に関しては改修した外壁との間に隙間が生じないように塗装が終わった後に三方シーリングをして納めるなど細部にこだわった改修を行いました。

エントランス部分の照明
もともと古いブラケット照明があったエントランス部分に関しても、外壁にステンレスの曲げ物をオーダーで作って中に間接照明を仕込みました。このようにただ照明を交換するのではなく、意匠的に雰囲気がよくなるよう改修をしました。

外部階段
外部階段はもともとモルタル仕上げだったところをウレタン防水で保護する改修を行いました。ただ階段の床の仕上げに関しては、階段利用者の多い2階から1階部分と、利用者の減る3階以上に関しては仕上げの塗装を変える工夫を行いました。
利用者の多い2階から1階部分に関しては、ウレタン塗装を塗っても利用により剥がれてきてしまうので階段の先端部分だけあえてウレタン塗装を塗らない仕様としました。

大規模修繕を一度に行うメリットとは
修繕をする時に足場をかけて分かることがたくさんあります。
例えば外壁のクラックがあった場合、外壁だけでなく雨水配管に亀裂が入っていることや、看板がある場合その支持部分が劣化しているなど、そういったことは足場をかけないと分かりません。そういった気付きづらい部分に関しては足場がかかったらすぐに検査をして追加の項目として提案し修繕を行います。このように大規模修繕を一度に実施する方が、不具合が起きる度に補修するよりも結局のところ一番安く済むのです。
大規模修繕を実施したきっかけ
空調設備などの設備系は何か不具合に関してはアラートなどでしらせてくれるので分かりやすいですが外壁などは静かに劣化をしていきます。そういった意味で大規模修繕に関しては能動的に検査し劣化状況を確認していくのが重要です。
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アドバンス・シティ・プランニング 建築課では年間150件以上様々なビルの改修、修繕を行っています。
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- 管理建築士
- 森峰 恒平
株式会社アドバンス・シティ・プランニング 建築課課長 / 1980年奈良県出身。管理建築士・設備設計一級建築士・一級建築施工管理技士。修繕、リノベーションのエキスパート。
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