投稿日:2020年04月02日 更新日:2023年04月18日

一級建築士事務所とは?そのほかの建築士事務所とは何が違うの?

カテゴリ設計

建物を建てる場合、「一級建築士事務所」がよいと考える人は多いと思います。

なんとなく「一級建築士事務所」であれば安心というのがあるかと思いますが、「一級建築士事務所」だからこそ出来ることや違いはあるのでしょうか。

一級建築士事務所イメージ

そもそも建築士とは?どんな仕事内容?

「建築士」とは、国家が定める資格を有して建築の仕事に従事している人を言います。

国土交通大臣の行う一級建築士試験に合格した者を「一級建築士」、都道府県知事の行う二級建築士試験に合格したものを「二級建築士」、木造建築士試験に合格したものを「木造建築士」といい、それぞれ設計できる建物の規模や構造、用途に違いがあります。

「一級建築士」は、設計できる建物に制限がなく、学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場などの大規模な建築物でも取り扱うことができます。

一方「二級建築士」は、建物高さ13m、軒高9を超える建物は建築出来ないなど、扱える建物の制限が細かく決まっています。

イメージとしては木造の住宅や、小規模なRC造(鉄筋コンクリート造)など、「戸建住宅程度の規模」の建物と考えてもらえばよいでしょう。

そんな建築士の仕事は大きく分けて2つあります。

設計図を作成する

「設計図」を基に建築現場で「工事監理」する
ことです。

住居もオフィスビルも店舗ビルもどんな建物でも、建てるためには「設計図」が必要で、その設計図面をまずは作成しなくてはなりません。

「施主」つまり、建築の依頼主(建築主)であるクライアントからどんな建物にしたいか要望をヒアリングして設計図を作成していきますが、要望だけではなく、建築基準法をはじめとした法律や、構造や防災などの安全性に関わる法規、設備や敷地の形状、周辺環境についてなど、様々な点に留意する必要があります。そのため幅広い知識が必要です。

設計が済んで、建築の段階になったら、工事が「設計図」通りに進んでいるかを確認していく作業、それが「工事監理」となります。

建築士事務所とは?

建築士は、他人からの依頼において報酬を得て「設計」「工事監理」「建築工事契約」等の業務を行う場合には、個人として業務することは出来ず、「建築士事務所」に所属していないと業務に携われないことが、「建築士法」(第23条)により決まっています。それだけ社会的影響の大きい業務であると考えられていると言えるでしょう。

建築士が所属する事務所を「建築士事務所」(事務所によっては「建築設計事務所」と呼ばれています)といい、都道府県知事の登録が必要です。

そして登録をするためには、事務所内に事務所を管理する専任の建築士である「管理建築士」を置かなくてはなりません。

「管理建築士」とは、建築士として建築士事務所で3年以上の業務に従事した後、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う管理建築士講習の過程を修了したものとされています。

建築士事務所の種類について

事務所に常勤する「管理建築士」が一級建築士であると「一級建築士事務所」、二級建築士であると「二級建築士事務所」、木造建築士であると「木造建築士事務所」となります。

また「個人」か「法人」なのかといった違いがあります。

その他には明確に定義があるわけではありませんが、「意匠系」「構造系」「設備系」といった業務に関する区分けや「組織系」「アトリエ系」といった区分けもあります。

建築士事務所の役割とは

クライアントである施主と、実際に工事に携わる業者である施工者では、利益追求の面で相反する場合が多いです。施主に関しても個人の場合もあれば不動産会社の場合もあります。

このように様々な人が関わり、様々な利害がある中で、建築士事務所は中立の立場として調整をするという役割があると言えるでしょう。

つまり施主の要望をヒアリングした上で、建築物の設計に基づく専門家の立場としてアドバイスを行うとともに、施工業者に交渉、要求していく必要があるのです。

そしてその役割は「一級建築士事務所」でも「二級建築士事務所」でも変わりません。

建築士事務所の選び方

「一級建築士事務所」は法律上、設計できる建築物に制限がありません。

とはいえ、例えば著名な先生がいて設計料が高そうなアトリエ系の設計事務所に特段の変わったデザインも必要としない賃貸アパート等を依頼するでしょうか。

規模の大きい賃貸マンションで、デザインに凝った物件を建てたいとか、そういう物件はアトリエ系の設計事務所に依頼したりします。

逆に、施主の好みで建てる個人住宅とかは、まだ名前の売れていないアトリエ系の設計事務所が受注競争をしている一方で、組織系設計事務所は自社ブランドの企画商品で開発することは積極的ですが、純粋に、オーダーメイドの個人住宅はあまりやらない、といった、住みわけがあるのです。

つまり、何でも建築できる「一級建築士事務所」とは言え、それぞれの建築士事務所にもビジネス上の都合や得意不得意、向き不向きがあるのです。

 

これは、一級建築士事務所と二級建築士事務所の間にも言えることで、「木造」に関することは2級建築士の試験に出ることが多いことから「木造建築」の戸建ての住まいを建てる場合には「二級建築士事務所」の方が慣れている場合もあります。

ただ「二級建築士事務所」の場合ですと、「高さが13m、または軒の高さ9m」を超えるものは設計出来ません。つまり施主の要望に対し、幅広い選択肢を提供できない可能性はあります。

どの建築士事務所を選んだらいいかは、デザインなのか、コストなのか、スピード感か、それとも人との相性なのか、自分が何を重要視するかでも異なってまいります。

その建築士事務所がどういった建物が得意なのかよく見極め、自分が何に重きを置くのか理解した上で選んでいくのがよいでしょう。

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