どこから始めたらいい?ビルの修繕計画に「優先順位」が大切な理由とは

どこから始めたらいい?ビルの修繕計画に「優先順位」が大切な理由とは

 

目次

はじめに

ビルの資産価値を維持・向上させるうえで、修繕工事は欠かせません。
しかし近年は、建築費・修繕費の高騰が続いており、オーナー様としては「できるだけ費用を抑えながら、必要な修繕を行いたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで重要になるのが、「どこから修繕すべきか」という修繕計画における優先順位です。

やみくもに修繕を進めてしまうと、無駄な費用や二重工事が発生してしまうケースも少なくありません。
本記事では、効率よくかつ無駄なく修繕を進めるために、ビル修繕の優先順位をどのように考え決めていくべきかを分かりやすく解説します。

ビル修繕の優先順位を決める基本的な考え方

修繕の優先順位を考える際、基本となる視点は大きく分けて以下の2つです。

1.「緊急度 × 重要度」で判断する

まず一つ目は、
その修繕がどれほど緊急か、そしてどれほど重要かという観点で判断する方法です。

 

  • 今すぐ対応しないと事故やトラブルにつながるか
  • 建物の安全性や法令に直結しているか

といった点を軸に考えます。

2.「放置した場合のリスク」から逆算する

二つ目は、
修繕を後回しにした場合、どのようなリスクが生じるかという視点です。

例えば、外壁の劣化を放置した結果、タイルが剥落して通行人に被害が及んでしまった場合、人的被害だけでなくオーナー様の責任問題に発展する可能性もあります。
このように「放置したときの影響が大きいものほど、優先順位は高い」という考え方は修繕計画を立てるうえで非常に重要です。

ただし実際には、
「どの修繕が本当に緊急なのか」
「どこまで放置すると危険なのか」
といった判断は、専門知識がないと難しい場合も少なくありません。


例えば

 

  • 見た目はきれいだが、内部やドレン廻りで劣化が進んでいる防水層
    (見た目では漏水の原因が分からない事象 )
  • 軽微に見えるひび割れが、実は貫通クラックであり構造に影響するケース
    (漏水の発生とともに、コンクリート内部の鉄筋のサビに波及する事象)

 

など、判断を誤ってしまうこともあります。
それでは、優先度ごとに具体的に見ていきましょう。

優先度別に分けた修繕例

最優先で対応すべき修繕(優先度:高)

■ 安全性に関わる修繕

  • 外壁タイル・モルタルの剥落
  • 階段・手すりの破損
  • 耐震補強に関する修繕

これらは、放置すると事故や人的被害につながる可能性が高く、最も優先度が高い修繕です。

■ 漏水・雨漏りなど、即時対応が必要なもの

  • 漏水・雨漏りの発生
  • 突発的な設備トラブルへの修繕対応

漏水は建物の劣化を一気に進行させるだけでなく、 テナントの営業停止やクレームにも直結しやすいため迅速な対応が求められます。

■ 消防・法令に関わる修繕

  • 消防設備の不具合
  • 法定点検で指摘された是正項目

これらは法律で義務付けられている修繕であり、対応を怠ると是正命令や罰則の対象となる可能性があります。

中期的に対応すべき修繕(優先度:中)

■ 設備系に関わる修繕

次に優先度が高いのは、耐用年数や更新時期がある程度予測できる設備系の修繕です。

 

  • 給排水設備(耐用年数を考慮した更新)
  • 空調設備の更新判断
  • 防水・外壁塗装の劣化サイン
  • 劣化を放置すると修繕費が跳ね上がる箇所

日常的な点検や軽微な補修を行っていれば、比較的少ない予算で済む修繕も多くあります。
例えば屋上防水の場合、施工後10年後頃の劣化初期の段階であれば50万円程度(面積による)の部分補修で済んだものが、放置して漏水が進行すると躯体まで傷み、数百万円規模の大規模修繕が必要になるケースもあります。
このような修繕は、「今すぐではないが、計画的に行うべき修繕」と言えるでしょう。

価値向上のための改善・リニューアル(優先度:低~投資判断)

  • エントランスや外観の美観向上
  • トイレ・共用部のリニューアル
  • 省エネ設備への切り替え
  • テナント満足度に直結する改修

 

これらは建物の資産価値向上にとって重要ではありますが、限られた予算の中では、優先度は比較的低めとなります。ただし、空室対策が課題となっている場合などは、共用部のリニューアルが集客に大きく影響するケースもあるため、建物の状況を踏まえて投資判断として検討することが現実的です。

修繕の順番を誤ることで発生するリスク

注意したいのが、修繕の順番を誤ることで無駄な工事が発生するリスクです。
例えば、

 

  • 外壁塗装を行った後に漏水が発覚し、再度足場を組むことになった
  • 一部の給排水管のみ交換したが、後に他の配管も劣化しており、結局全交換となった

 

といったケースでは、二重工事により費用が大きく膨らんでしまいます。
また法定点検などを年間スケジュールで実施している場合でも、長期修繕計画と連動させることで、より効率的な工事計画を立てることが可能になります。

賢く修繕計画を立てるために

建物の修繕は、「電気設備・給排水・防水・外壁・エレベーター」など分野が多岐にわたります。
それぞれ専門業者が異なるため都度バラバラに依頼してしまうと、全体最適が図れず結果的に無駄が生じてしまうこともあります。

重要なのは、建物全体を把握したうえで、適切なタイミングで修繕を計画・提案してもらうことです。
それこそが無駄を防ぎ、費用を抑えながら効率よく修繕を進める近道と言えるでしょう。

おわりに

アドバンス・シティ・プランニング 建築課では、年間190件以上のビル改修・修繕工事を手掛けております。建物を総合的に理解しているからこそ、短期・中長期の視点を踏まえた最適な修繕計画のご提案が可能です。

「どこから修繕すべきか分からない」
「今の修繕計画が本当に適切か不安」

そのようなお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

株式会社 アドバンス・シティ・プランニング
建築課

 

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