投稿日:2019年04月11日

設計事務所に3種類あるってご存知でしたか?~アトリエ系、組織系、そしてもう一つは?

カテゴリ設計

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1.一級建築士事務所の看板を掲げる会社には異なる性格の設計会社がある

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北辰不動産グループのアドバンス・シティ・プランニングは「設計からビル管理まで」できる、ビルオーナー様向けのトータルサポートサービスの中核業務を担う会社です。35周年を迎えた本年は3月末には300棟を超えるビル管理の受託を頂いていますが、ビル管理だけがメイン業務ということでなく、元々は、設計会社からスタートした、歴とした「一級建築士事務所」でもあるのです。

さて、そんな一級建築士事務所の看板を掲げる「設計事務所」ですが、まずは、業界的に大きく分けると異なる性格の2種類の設計事務所があるのをご存知でしょうか?

その2つというのが業界専門用語でいうところの「アトリエ系設計事務所」と「組織系設計事務所」です。もちろん、この2つ以外にも工務店や工事会社の設計部門等もありますが、業界的に大まかにわけた場合は、このアトリエ系と組織系というのが2大分類とされています。

(3つあるというタイトルの理由は、最後にご説明します。)

 

2.アトリエ系設計事務所と組織系設計事務所はどんな違いがあるのか?

そもそも、「アトリエ系建築設計事務所」というのはいつから誰が言い始めたのか、由来を調べてみるとこのように説明されていました。

 

「個人の建築家が主宰する建築設計事務所のうち、特に建築家個人の作家性を強く反映した設計を行う設計事務所に対する通称である。組織系建築設計事務所としばしば比較される。アトリエ系という呼称は、建築家磯崎新が自身の設計事務所の設立に際して「磯崎新アトリエ」と名付けたのがそもそもの始まりである。これは当時主流であった「建築設計事務所」という呼称に抵抗を感じ、芸術家のアトリエのような個人の製作場所を指向したのが理由とされる。次第に追随する設計事務所が出始めたため、この呼称が広く定着していった。 」(wikipediaより引用)

 

なんと、この度、建築家のノーベル賞とまで言われれるプリツカー賞を受賞された、あの磯崎新(いそざきあらた)先生が由来だったんですね。

 

column_arc_02目指すのはアート、芸術?

 

 

では、一方の組織系の建築設計事務所はどうでしょうか?

 

「組織系建築設計事務所は、設計専業で特に規模の大きな建築設計事務所に対する通称である。アトリエ系建築設計事務所としばしば比較される。一つの建築設計事務所で、意匠・建築構造・建築設備・エンジニアリングシステムなどを計画・設計することが可能であり、さらに建築工事現場における監理もできるという特徴を持つ。(中略)その反面、アトリエ系事務所に比べると、経済効率や信頼性が優先される傾向にあるため、実験的なデザイン等を自由に行うことが少ない。しかしながらデザイン性に劣るというわけではなく、堅実なデザインを得意とするという側面が強いといえる。なお組織系事務所出身のアトリエ系建築家も少なくない。」(wikipediaより引用)

 

これに厳密に従うと、結構な規模の専業の大手設計事務所でないと「組織系」とまでは呼べないということになってしまいますが、業界的にはそこまで厳密にこだわって使われるケースは少なくて、アトリエ系に多い個人事務所的な規模より大きい中小の設計会社であれば、ざっくりと「あそこはアトリエ系じゃなくて組織系だよね」的な感じで使われていると思います。

 

ただ、その場合でも意識して使われているのは、企業の規模よりも「オリジナルなデザイン、意匠」を重視しているっぽい事務所かどうかという、設計事務所のポリシー、フィロソィー的な分類のされ方が中心です。

 

3.アトリエ系建築設計事務所はなぜアトリエ系なの?

アトリエ系建築設計事務所は、やはり個人事務所的な規模の設計事務所が多い訳ですが、なぜ「アトリエ系」の特徴である「意匠、デザイン」に特にこだわるのでしょうか?

 

アトリエ系設計事務所に入る設計士の最終目標は「有名建築家」となって先生になること、という夢があるから、というのもあるかもしれませんが、もうひとつは、「受注競争に打ち勝って食べていくため!」という切実な理由もあったりします。

個人設計事務所って、実はじっとしていれば設計の仕事がどんどん舞い込んでくるような甘い商売ではありません。有名な先生の事務所は別として、多くの無名のアトリエ系の個人事務所の規模では、やはり組織系と違って最初からビルやマンションをドンドン受注できるという訳ではなく、絶対的な建築ボリュームがある個人の注文住宅等の設計をいかに受注するか、といった競争があります。

 

その競争に勝つための一番の武器が「デザイン、意匠」なのです。結局は、法規に沿ってやるべきことをきちんとやる、という設計の基本部分では、専門知識のない一般個人の施主に対して他の設計事務所と差別化して主張できる部分が殆どなく、最後は、「いかに施主好みのデザインをプレゼンするか」で受注が決まるケースが多いからです。

その証拠に「一級建築士事務所」の公式サイトの殆どが、いかにデザインセンスの良さをアピールするか、いかに過去の設計実績の建築のデザインの良さをアピールできるか、に腐心していることからもわかるでしょう。

 

4.組織系設計事務所は個人住宅市場には消極的?

アトリエ系個人設計事務所の主戦場である個人住宅市場に組織系設計事務所が大挙して営業しにくると、それでなくとも大手ハウスメーカーとの競争もある中で個人事務所は大変なことになりそうですが・・・実は組織系設計事務所って個人住宅とかの受注には消極的だったりします。

 

なぜかというと、まずは、組織系設計事務所は特に自分たちが営業せずとも、大きな設計案件が舞い込んできて忙しいというのがあります。

そしてもう一つは、組織系設計事務所からすれば「施主の好みを聞いて建てる個人の注文住宅は儲けの割に面倒な仕事」という位置づけだからです。

組織系では分業された業務の中で型にはまった業務を着実にかつ、たくさんこなしていくという性質の仕事が多い一方、個人住宅ともなると、実は「クレーム商売」と言われるほど、施主のデザイン的な好みや希望を聞きながら設計していくという手間と時間がかかります。

特に、個人の好みに合わせたデザイン、意匠を考えて施主の納得するものを建てる、というのは施主自身も明確な答えを最初から持っている訳ではありませんから、なかなか大変な仕事です。

つまり、他にも設計の仕事がたくさんあるような組織系設計事務所が敢えて個人住宅の設計市場に乗り込んで受注競争をしたい理由がないのです。

 

column_arc_01希望の色を探すのは大変です・・・

 

 

5.中小規模の賃貸テナントビル設計はどこに依頼すればいいか?

さて、ここからが問題ですが、個人や中小企業が保有するような中小規模の賃貸ビルは、どこに設計を依頼するのがいいのでしょうか?とにかく予算はいくらでもあるので、デザインに徹底的に凝った賃貸ビルを建てたい、ということなら、有名な先生のいる著名なアトリエ系建築設計事務所にお願いするのがいいでしょう。

 

しかし、賃貸ビルを建築する場合、多くのビルオーナー様にとって最も大事なことは、やはり長期に安定稼働するかどうか、また資産運用として高い収益性のある収益物件にできるかどうか、という投資家的な立場での設計が重要なはずです。

 

そこで問題なのが、有名な先生に高い設計料を払いたくないけれど、そこそこデザインにこだわったお洒落なビルを建てたい、だから、気に入った実績写真が掲載されているアトリエ系の個人設計事務所に依頼したい、というケースです。

先ほども述べたように、多くのアトリエ系設計事務所は意匠、デザインで差別化して受注競争に打ち勝つ必要があるので、個性的で美しいデザインの住宅は設計できるはずですが、事業収支が大事な賃貸ビルの設計の経験が豊富とは限らず、そのような設計をするとメンテナンスが大変だとか、長年の間に問題が起きるとか、その立地で、そういう個性的デザインではターゲット顧客層を狭めすぎてしまうとか、そうした賃貸ビルに必要な設計ノウハウに明るくないといった設計事務所かもしれないのです。

 

意匠にこだわる設計事務所に依頼すると、デザインが目立たないと次につながらないからと必要以上に凝ったデザインにするケースもありますが、施主としてもその個性的なデザインに目がくらんで依頼した結果、建築コストが膨らんだ割にテナント側から見ると使いづらい建物になっていて、かけたコストに見合った賃料を取れないビルになる、といったケースもあります。もちろん、建築の面白さはこうしたこだわりのデザインの建物を建てる、というところにもあるので、それを納得の上で建てるなら全然問題はありません。

 

しかし、「デザインにもこだわりはあるが事業収支は大事」というビルオーナー様であれば、やはり、見た目のデザインと事業収支の両面から納得できる提案ができる設計事務所を選ぶことが大事です。

 

6.「アトリエ系設計事務所」でもなく「組織系設計事務所」でもない「ハイブリッド系」

つまり、「アトリエ系と組織系のいいところを両方持った設計会社」がいい、ということです。設計事務所は「アトリエ系と組織系の2つ」と言ってたのに、そんな設計事務所ってあるのでしょうか?

アドバンスをどちらかに分類する、ということだと業界的には今では「組織系設計事務所」に分類されると思いますが、元々は誰もが知る著名な巨匠のアトリエ系設計事務所で修業を積んだ建築士が集まって作ったという生い立ちの歴史があり、35年のもの間に多様な建物の設計を行ってきた実績とノウハウがあります。

そういう訳で、最後は自分たちの宣伝になってしまいましたが、「アトリエ系と組織系のいいところを両方持っていて」かつ「相当数のビル管理実績があり」かつ「賃貸ビル設計の豊富なノウハウがある」、という数少ない設計会社こそが、私たち「アドバンス・シティ・プランニング」の強みでもあると自負しています。

 

つまり、タイトルに書いた「3種類の設計事務所」の最後の3つ目、それが「アトリエ系と組織系のいいところを両方持った」、言うなれば「ハイブリッド系設計事務所」です。

もちろん、この言葉は業界用語としてはまだ存在しませんが、いずれ、業界用語として定着した時には、Wikipediaなどに言葉の由来として私たちがパイオニアであると書かれるような設計事務所を目指しています。そんな設計事務所をお探しの方は、是非、一度お気軽にご相談下さい。

 

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