BIMをもっと活用するために|設計から管理まで様々な場面での活用方法
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こちらの記事でBIMについて基本的な情報を教えてくださった一級建築士のIさんですが、BIMの活用における様々なアイディアがあるとのこと。
企画設計からテナント誘致、建物の総合管理まで一貫したサービスを提供しているアドバンス・シティ・プランニング(ACP)だからこそ活かせる仕組みもあるようです。

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株式会社アドバンス・シティ・プランニング
開発事業部主任
一級建築士・BIMマネージャー・インテリアコーディネーター・色彩検定1級・福祉住環境コーディネーター2級
- I氏
1997年神奈川県出身。地場の工務店でリフォーム営業・設計・現場監督、その後ビルダーで木造在来軸組工法のCADオペレーターを経て、現在BIMを取り入れてマンション企画開発に携わる。
─── ビル管理などの現場でもBIMを活かすことが出来るのでしょうか?
I:出来ます。
キーノートというメモ機能のような仕組みがあるのですが、それぞれの図面に建物管理の情報を記録していきます。例えば「×月×日に水漏れ対応をした」「×月×日 異臭対応をした」などです。この仕組みのポイントとしては、キーノートの更新はエクセルで出来るということです。

─── エクセルで出来るのですね!それだったらBIMを持っていない社員の方でも使えて便利ですね。
I:そうなのです。BIMが普及しない理由の一つに導入費用というのもあると思うのですが、この仕組みを利用すれば普段のエクセル更新は各担当者に行ってもらい、BIM担当者が定期的にBIM上に取り込むということが出来ます。
さらに配管データなども入力しておけば、「ここで漏水があった」といったこともキーノートと紐づけて確認することもできます。またここがBIMのメリットなのですが図面内のそれぞれの要素に横、高さ、奥行きなどの情報も含まれているので、漏水があった場所などを現場で測らなくてもBIM上で表示することが出来、便利です。
─── この図面は小さくて少し見えづらいようですが敢えて縮小をしているのですか?
I:そうです。敢えて縮小して余った余白にキーノートで情報を載せています。
通常、平面図などは三角スケールなどを使って測らないと実際の寸法を算出できないのですがBIMは情報を持っていて必要な時は図面を拡大して計測機能で寸法を確認することが可能です。
現実問題として建物管理の現場などではタブレットでは大きくて邪魔になり持ち歩けるのはスマホに限られるのですがBIMのデータであれば必要な時にスマホ上で拡大して見ることも出来ます。
つまり図面を印刷する必要も持ち歩く必要もなくなります。
これを会社全体で本格稼働したら、情報の確認や共有がとても効率的になるのではと考えています。
実際にこのキーノート機能を使い、弊社が運営しているCOCOSHUKUシリーズ全ホテルでデモ運用しています。
─── 設計の段階から管理まで一貫してデータが集約されているのはとても便利そうですね。
他にはどのような活用法がありますか?
I:アドバンス・シティ・プランニングでは建物の修繕などを請け負っている部署もあるのですが、修繕などにおいても力を発揮できると思います。
修繕が必要な築年数の古い建物の場合、正確な図面の不足などで修繕計画が難航する場合があります。そういった時に「空間スキャン」による点群データを用いてBIMに取り込むことで実際に工事に取り組む前に様々な検証を行うことが可能です。例えばスケルトンのところでスキャンしてBIMに取り込んで内装を入れれば現地空間にモデルが作れるので、例えばこういう歯医者さんが出来ますよとか、居酒屋だったらこれぐらいの席数の居酒屋が出来ますね、といった提案をすることも可能です。
─── 写真のようでイメージがリアルに想像できそうです。
I:空間スキャンデータにより、現地調査の精度もあがりますし、後々測量漏れがあった際もパソコン上ですぐに数値を出すことが可能です。
他にも「AIビジュアライザー」といったAIパース作成を利用すると、シンプルなコンセプトモデルからAIを利用したビジュアルモデルに簡単に変換も可能です。
─── BIMの活用方法は無限大に感じます。
将来の運用において課題があるとすればなんでしょうか?
I:導入、普及に関しては会社全体の理解、また体制が必要不可欠だと感じています。
私が弊社で初めてのBIM使用者でありBIM技術の習得には時間がかかるため、私も最初は技術習得のため丸1日研修する日を何日もさせてもらっていました。その結果BIM技術を早期に習得し実務に活かすことでソフトの導入費用や研修費用などを超える利益を出せています。
導入初期では生産性や利益が著しく落ちるものの、いったん軌道に乗れば加速度的に生産性や利益が向上します。そういう会社の理解があってこそ、活用できていると感じています。
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