2019年01月17日

将来どうなる?資産性から考える「用途地域」について

いざ不動産投資をはじめるために、具体的な物件選びをしようとすると「用途地域」という言葉を目にするかと思います。

 

「用途地域:第二種住居地域」「用途地域:近隣商業地域」などです。
今回は不動産投資の観点から考えた「用途地域」について、説明していきたいと思います。

土地には「都市計画法」という法律が定められており、これによって計画的な街づくりが行われています。
都市計画法のうち、「市街化」を促進すべき区域を「市街化区域」、市街化を抑制すべき区域を「市街化調整区域」と呼びますが、収益物件に関係してくるのは、当然、市街化を促進していくための区域「市街化区域」となります。

街並み
「用途地域」は「市街化区域」をさらに細かく13種類に分けた地域のこととなり、これにより様々な規定が定められているのです。
この13種類は大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」に分けられます。
住居系 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域
商業系 近隣商業地域
商業地域
工業系 準工業地域
工業地域
工業専用地域

 

そして収益物件の観点で考えたときに、気を付けたい点は大きく3つあります。

高さについての制限

建物の高さに関してはまず「第1種低層住居専用地域」と「第2種低層住居専用地域」において、10mまたは12m以下という制限があります。
これは大体3階~4階建て相当の建物となります。

さらに「低層住居専用地域・田園住居地域、中高層住居専用地域」には「北側斜線制限」といった高さ制限もあります。北側斜線制限は、建物の北側の日光をとるための制限で、注意が必要です。
また「日影規制」というのもあります。
これは冬至(12月22日頃)を基準として、全く日が当たらないことのないように建物の高さ制限を行う規制です。
日影規制は、商業地域、工業地域、工業専用地域には適用がありません。
このように、用途地域によって様々な高さ制限があります。

 

面積についての制限

たとえば土地を購入したとしても、土地ギリギリまで建てられるわけではありません。
建物の面積を表す「建ぺい率」や「容積率」は、用途地域によって決められており、建てられる建物の規模が制限されています。


建ててよい建物についての制限

用途地域によって建築可能な建物が決まっています。
例えば老人ホームや図書館は、「工業専用地域」以外は建てることができるが、
カラオケボックスは「低層住居専用地域」「中高層住居専用地域」「第一種住居地域」には建てられない、などです。
このように決まっているおかげで、秩序のある街が出来上がるのです。



最後に

物件を購入する際、どうしても目の前の景色に目がいきがちですが、用途地域を理解していると、たとえば、「今は目の前に建物がないけれど、将来大きな建物が建つかもしれない」「ある日突然近くに風俗店が建ってしまった」といったリスクを考慮することができるようになります。
また「住居系」の用途地域であれば、比較的静かで落ち着いた街並みではありますが、交通の便や店舗の有無といった利便性で考えると「近隣商業地域」などの「商業系」が良い場合もあります。
一概にどこがよい、悪いというわけではなく、どういう投資をしていきたいか、どういう資産性のある収益物件をもっていきたいか、用途地域に関しても自身の投資計画に沿って検討していくとよいかもしれません。

 

この記事を書いた人

C+One 編集部
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