更新日2026年06月01日 公開日2025年06月20日
東京都杉並区の東に位置する高円寺駅。JR中央線で新宿から2駅、最短6分のアクセスの良さに加え、新旧が混在する街並みが独特の「高円寺カルチャー」を生み出し、若者を中心に人気がある街です。また、昭和の雰囲気を色濃く残す商店街があり、駅から少し離れれば閑静な住宅街が広がっているためファミリー層にも住みやすい街です。
今回は、活気のある高円寺エリアについて紹介いたします。

JR中央・総武線 高円寺駅
CONTENTS
高円寺エリアの基本情報
都心へのアクセスが良好なのが高円寺エリアの大きな魅力。
高円寺駅からはJR中央・総武線と相互乗り入れの東京メトロ東西線が発着しており、新宿駅まで最短2駅7分、東京駅まで最短6駅20分でアクセス可能です。また、総武線と東西線は千葉方面にもつながっており、西船橋駅や津田沼駅まで乗換無しでアクセス可能な点も魅力です。
| 行き先駅 | 交通手段 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 新宿駅 | JR中央線快速 | 最短6分 |
| 東京駅 | JR中央線快速 | 最短20分 |
| 吉祥寺駅 | JR中央線快速 | 最短8分 |
| 日本橋駅 | JR総武線➡東西線(直通) | 最短25分 |
東京メトロ東西線の乗り入れは1966年(昭和41年)からと古く、中野駅で中央・総武線と東西線に分かれる形となります。面白いのは分かれた両路線が東京を並行に走り、千葉県の西船橋駅で再度合流すること。ちなみに、途中の駅数の関係もあり、東西線を利用した方が西船橋駅に早く到着するようです。
昭和の面影を残す、多彩な商店街
高円寺エリアには、大小10を超える商店街があります。集まる店舗も八百屋や魚屋などの生活密着型の店舗や、ライブハウスや古着屋、ギャラリーなどカルチャーの発信地となる店舗、若者やサラリーマンの憩いの場になる飲み屋街などバラエティー豊富で、そんな雑多な点も高円寺エリアの魅力の一つです。
純情商店街(高円寺銀座商店会)
高円寺駅の北口に広がる「高円寺銀座商店会」。舞台となった小説のタイトルから「純情商店街」の愛称で親しまれています。ドラッグストアなど大手チェーン店舗が増える中、昔ながらのお茶屋や生鮮食品店なども残っています。
高円寺パル商店街
高円寺駅の南口から伸びる大きなアーケードが印象的なパル商店街。雑貨屋や大手チェーン店が並び、雨に濡れずに買い物が楽しめます。また、パル商店街は「東京高円寺阿波おどり」発祥の地でもあるため、阿波踊り用品の専門店や阿波おどりの写真展もあります。
表通りだけでなく、脇道や裏路地にも店舗が広がるのが高円寺の魅力。休日には、地元だけでなく遠方からの買い物客で賑わいます。各商店街ではフラッグを掲げ、独自性を出しています。

左上)1933年(昭和8年)創業の銭湯「小杉湯」。昭和レトロな外観と令和のモダンな感性が融合した地元にも観光客にも愛されるスポットです。
右上)純情商店街にある、昔ながらの純喫茶の空気感が残る「高円寺茶房」。
左下)南商店街にある「古着商大虎」。狭い空間に商品がぎっしりで、掘り出し物感が味わえると人気です。
右下)純情商店街にある古着屋「THE GATE」。迷路のような店内は、雑多で遊び心あるディスプレイが好評です。
高円寺らしさを生かした駅前再開発
昭和の雰囲気を色濃く残す高円寺ですが、駅前の再開発も行われています。「高円寺マシタ」は、高円寺駅南口の高架下に建設された商業空間。2023年(令和5年)3月末にオープンしました。
コンセプトは
高円寺の「これまで」と「これから」を紡いでいく場所
「高円寺」に暮らす人々が紡いできた文化を大切にしながら
「高円寺らしさ」をこれからもつないでいく場所でありたいという想いで命名されました。

エリア内には10を超える飲食店とイベントに利用する広場スペースなどからなり、道路に面する店舗は半屋外のテラス仕様になっています。
阿波踊りと文化と芸術の街
1957年(昭和32年)、地元の商店街関係者によって街おこしの起爆剤として企画されたのが「高円寺阿波おどり」の起源だそうです。活気を失いつつあった高円寺の街に、徳島県の伝統芸能である阿波踊りを誘致しました。
高円寺阿波おどりは狭い商店街や路地を踊りぬけるため観客との距離が近く、高い臨場感を感じられることが大きな特徴の都市型祭り。2025年(令和7年)に第66回を迎える「東京高円寺阿波おどり」は、踊り手1万人、観客は100万人を超える全国最大規模の阿波おどり大会のひとつに成長しています。

2009年(平成21年)に開館した「座・高円寺」。高円寺駅北口にある公共の劇場・文化施設で、「文化によってまちを育てる」という思想のもと、地域に根差した舞台芸術の発信地として知られています。
高円寺北口、あづま通り商店街の一角にある「入利弁天」。商売や芸能、音楽の神様として昔から信仰を集めているそうです。また、あづま通り商店街は商店街独自のイベントも多く、写真にある「高円寺びっくり大道芸」の仕掛け親でもあります。

地名の由来となった曹洞宗「高円寺」。開山は1500年代中頃と伝えられ、鷹狩に訪れた徳川三代将軍家光との縁から広く知られるようになったそうです。高円寺駅から徒歩5分程度ですが、駅前の喧騒が感じられない落ち着いた佇まいです。

高円寺駅南口を出てすぐの氷川神社。ここには、日本で唯一といわれる「お天気の神様」を祭る「気象神社」があることで有名です。アニメ「天気の子」の聖地として、また気象予報士試験の合格祈願の聖地として訪れる人が多く、てるてる坊主の形をした絵馬も人気です。
不動産投資の視点で見る高円寺エリア
高円寺エリアの魅力は、商店街や飲食店、古着店、ライブハウスといった個性的なスポットの多さだけではありません。不動産投資の視点で見ると、こうした街の個性そのものが、入居者にとっての「この街に住みたい」という動機につながっている点に注目できます。
JR中央線・総武線が利用できる高円寺駅は、新宿・中野方面へのアクセスに優れた生活利便性の高い駅です。JR東日本が公表する2024年度の駅別乗車人員では、高円寺駅の1日平均乗車人員は47,716人となっており、中央線沿線の住宅地として一定の利用規模を持っています。
出典:JR東日本 各駅の乗車人数
一方で、高円寺の特徴は交通利便性だけではありません。駅周辺には、純情商店街、パル商店街、ルック商店街など複数の商店街が広がり、日常の買い物や外食が徒歩圏で完結しやすい環境があります。加えて、古着、音楽、演劇、飲み屋街、イベント文化などが日常の中に溶け込んでおり、画一的ではない街の雰囲気が形成されています。
このような街の個性は、特に単身者や若年層、感度の高い二人暮らし世帯にとって魅力になりやすい要素です。単に「都心に近いから住む」というだけでなく、「高円寺の空気感が好きだから住みたい」と感じる層が一定数存在することは、賃貸住宅の入居者ニーズを考えるうえでも重要なポイントといえます。
また、高円寺では既存の街並みを活かしながら、駅周辺の高架下空間の再整備も進められています。2023年には高架下に「高円寺マシタ」が開業し、高円寺の文化を大切にしながら、街の回遊性や滞在性を高める空間づくりが行われています。大規模な再開発で街の印象を一変させるのではなく、既存の文化を残しながら少しずつ更新されている点は、高円寺らしい変化といえるでしょう。
ただし、高円寺周辺は中央線沿線の人気住宅地であり、物件取得価格が上がりやすいエリアでもあります。国土交通省の地価公示でも、高円寺駅徒歩圏の住宅地について、生活利便性・交通条件に優れ、需要は底堅いとされています。一方で、収益価格は取引事例から求められる価格より低く試算されており、投資判断においては表面利回りだけでなく、賃貸需要の安定性や中長期の資産性もあわせて見ることが重要です。
高円寺エリアは、高利回りを前面に打ち出すというよりも、中央線沿線の利便性と、街そのものの指名性を背景に、長期保有を前提として検討したいエリアといえるでしょう。
まとめ
高円寺は、東京・杉並区に位置する個性豊かな街で、古着屋やレコード店、ライブハウス、個人経営のカフェなどが密集し、独自のカルチャーを育んできました。特に若者やアーティスト、クリエイターに人気が高く、「高円寺にしかないもの」を探す楽しさがあります。
また、阿波おどりやびっくり大道芸といった地域イベントも盛んで、街全体が一体となって盛り上がる文化的な活気にあふれています。さらに、気象神社や座・高円寺など、ユニークな神社や文化施設も点在しており、散策の楽しみも尽きません。
商店街も充実しており、昔ながらの八百屋や惣菜屋から新しい感性の雑貨店まで、多様性と親しみやすさが共存しています。大都市にありながらも、どこか下町的で温かく、自由な空気を感じられるのが高円寺最大の魅力です。
不動産投資の視点では、高円寺エリアは中央線沿線の交通利便性に加え、商店街やカルチャー、地域イベントなどに支えられた街の指名性が魅力です。表面利回りだけで判断するのではなく、入居者に選ばれ続ける街であるか、中長期で安定した需要を見込めるかをあわせて検討したいエリアといえます。
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