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不動産投資は税金対策になる?仕組みと注意点を解説

作成者: COCO ASSET編集部|Sep 2, 2022 2:46:30 AM

不動産投資は巨額な利益をあげることができる一方、課される税金の額も大きくなりがちです。そんな中で、「不動産投資は税金対策(節税)になる」ということを聞いたことありませんか?

実際に、不動産投資は所得税・住民税や相続税などの対策として検討されることがあります。

ただし、不動産投資を行えば必ず節税できるというものではありません。節税効果は、物件の収支、借入条件、減価償却、所有者の所得状況、保有期間、将来の売却方針などによって大きく変わります。

また、税負担を抑えられたとしても、空室、修繕費、金利上昇、売却価格の下落などにより、投資全体で損失が出る可能性もあります。

本記事では、不動産投資が税金対策につながる仕組みと、検討時に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。



不動産投資で節税が期待できる税金①所得税・住民税

不動産投資で節税ができるポイントの1つ目は「運用時」。
運用時に節税効果が期待できるのは「所得税」と「住民税」の二つです。

所得税や住民税の税率・金額は「課税所得」によって変化します。

課税所得は、収入から必要経費などを除いた「所得」から、基礎控除など各種所得控除の合計を引いた金額のことを指します。「所得」の例としては、賃料収入がこれにあたります。
なぜ収不動産投資によって「所得税」と「住民税」に節税効果が期待できるのか?
これから、その理由を簡単に説明します。

所得税・住民税は、経費計上や損益通算により税負担を抑えられる場合がある

不動産投資では、賃料収入から必要経費を差し引いて不動産所得を計算します。固定資産税、管理費、修繕費、損害保険料、減価償却費など、賃貸経営に必要な支出を適切に計上することで、課税所得を抑えられる場合があります

また、不動産所得が赤字になった場合には、一定の範囲で給与所得など他の所得と損益通算できることがあります。たとえば、給与所得がある方が不動産投資を行い、修繕費や減価償却費などにより不動産所得が赤字になった場合、他の所得と相殺できるケースがあります。

ただし、すべての赤字が損益通算できるわけではありません。土地等を取得するための借入金利子に相当する部分や、別荘等の貸付けに係る損失など、損益通算の対象外となるものもあります。

さらに、青色申告を行うことで青色申告特別控除を受けられる場合がありますが、不動産貸付が事業的規模かどうか、帳簿の作成方法、電子申告の有無などによって控除額は異なります。そのため、青色申告や損益通算を前提に節税効果を見込む場合は、事前に税理士等へ確認することが大切です。

 

住民税

住民税は、所得金額に関わらず定額で課税される「均等割」と、所得税と同じく給与・所得に応じて税額が変わる「所得割」の2階建てになっています、所得割の部分については確定申告をするなかで税額が決まるので、住民税を払うのはもちろん、節税をするうえでも確定申告は必須です。

不動産投資で節税が期待できる税金②贈与税・相続税

不動産投資で節税ができるポイントの②つ目は「貰うとき」。具体的には贈与や相続で財産を取得するときになります
取得時に節税効果が期待できるのは「贈与税」と「相続税」の二つです。

贈与税は評価方法と制度選択に注意する

不動産を贈与する場合、贈与税の計算では、原則として相続税評価額をもとに財産の価額を評価します。現金をそのまま贈与する場合と比べ、不動産は評価額が時価より低くなるケースがあります。

 

ただし、不動産であれば必ず大きな節税効果が得られるわけではありません。評価額は、土地・建物の種類、所在地、権利関係、賃貸状況、区分所有かどうかなどによって変わります。特に、居住用の区分所有財産については、2024年1月1日以後の相続・遺贈・贈与から新しい評価方法が適用されています。

 

また、贈与税には暦年課税や相続時精算課税などの制度があります。暦年課税では基礎控除がありますが、相続開始前一定期間内の贈与は相続税の課税価格に加算される場合があります。2024年以後の贈与については、この加算対象期間が段階的に7年以内へ見直されています。

 

相続時精算課税制度を選択した場合、一定額まで贈与時の税負担を抑えられる一方で、贈与者の相続時に相続財産へ加算して精算する仕組みです。制度を一度選択すると、同じ贈与者からの贈与について暦年課税へ戻すことはできません。

そのため、不動産の贈与は、評価額の圧縮効果だけで判断せず、将来の相続、売却、賃料収入、他の財産とのバランスも含めて検討することが重要です。

 相続税は不動産評価と特例の適用可否で変わる 

相続税では、現金や預貯金は原則として額面で評価されます。一方、不動産は土地・建物ごとの評価方法に基づいて評価されるため、時価と相続税評価額に差が生じることがあります。

 

そのため、不動産を活用することで相続税対策につながる場合があります。ただし、必ず税負担が下がるわけではありません。物件の種類、賃貸状況、相続人の構成、借入金の有無、特例の適用可否によって結果は変わります。

 

また、貸付事業用の宅地等については、小規模宅地等の特例を適用できる場合がありますが、適用には要件があります。相続直前の不動産購入や、実態の乏しい相続税対策と見られる取引については、評価額や課税関係が問題になる可能性もあります。

 

相続税対策として不動産を検討する場合は、単に評価額が下がるかどうかだけでなく、収益性、流動性、管理負担、遺産分割のしやすさまで含めて判断することが大切です。

 

経費計上により課税所得を抑えられる場合がある

不動産投資では、賃貸経営に直接関係する支出を必要経費として計上できる場合があります。主なものとして、固定資産税、管理費、修繕費、損害保険料、税理士報酬、減価償却費などが挙げられます。

 

ただし、支出したものがすべて経費になるわけではありません。不動産賃貸業との関連性があるか、金額や内容が合理的か、家事費と明確に区分できるかなどを確認する必要があります。

 

また、法人で不動産投資を行う場合、役員報酬、退職金、一定の保険料など、法人ならではの支出を損金として扱える場合があります。

 

ただし、役員報酬は税務上の要件を満たす必要があり、生命保険料も契約内容や受取人、解約返戻率などによって損金算入・資産計上の扱いが異なります。

 

法人化によって経費計上の幅が広がる可能性はありますが、法人住民税、社会保険料、決算申告、税理士報酬などの維持コストも発生します。法人化するかどうかは、節税効果だけでなく、事業規模や将来の取得・売却方針も含めて検討することが重要です。

不動産投資と節税に伴う物件の選び方

節税を考えて不動産を選ぶ際に、物件の選び方が適当ではいけません。

実は物件の選び方次第で、節税をどれだけ受けられるかも異なってくることがあります。

減価償却費とは固定資産の取得時原価を一度に費用として計上するのではなく、毎年少しずつ費用計上していくように分割した費用のことですが、不動産における減価償却の期間は、残存の法定耐用年数によって決まります。
例えば「木造建築物」の場合は、法定耐用年数が住宅や店舗で「22年」と決められており、償却期間はこれから新築からの経過年数を引いた期間で設定します。つまり、新築や築浅であれば長い期間にわたっての減価償却が可能となるということです。

また、同じ法定耐用年数の点で言うと「RC造建築物」の住宅であれば「47年」と他よりも際立って長いため、減価償却が長い期間にわたって可能です。
残存耐用年数が短い築古の物件であれば短期間で償却を行うため利益を圧縮できる幅も大きくなり、法人税の節税に繋げることができます。その点だけを考えると耐用年数が短い物件のほうがお得に感じますが、逆に、残存耐用年数が短いと融資の返済に関するリスクも発生します。
多くの金融機関で融資期間は原則として残存耐用年数を上限としているため、築古の物件では償却期間と同様に返済ピッチも短くなってしまい、返済がキャッシュフローを圧迫する、という事態になりかねません。また、出口に関しても、融資条件が厳しくなりがちな築古物件では買い手が見つかりづらく、希望したタイミング、価格で売却できない可能性も高くなります。
物件選びは、融資をどの程度利用するのかや出口をどう考えるのかなど、ご自身の投資方針をベースに、構造や築年(残存耐用年数)なども考慮して決める必要があります。

不動産投資におけるリスクや失敗例

ここまで不動産投資に係る節税について解説しました。

ただし、不動産投資は節税がすべてではありません。節税ばかりを考えていると、普段のマンションなどの運営がおざなりになってしまう可能性もあります。

例えば収益マンションやアパートであれば、家賃収入を得るために入居者の募集を行う必要もあります。業者に頼むのであれば仲介手数料や広告費が発生しますし、自ら募集するにしても賃貸サイトなどへ掲載するのであれば掲載料が発生します。

加えてマンションやアパートなどについては、普段の運営の中でも経年劣化などによる修繕費や管理費などのコスト(維持費)もかかります。このように、税金(節税)を除いても普段から考えるポイントは意外と多いのです。
節税も大事なポイントですが、それと同じくらい普段からの不動産の運営や入居者の集客なども重要なのです。

また、海外で不動産投資をお考えの場合はさらに考えるべきポイントが増えます。

 

  • 通貨の価値の変動(円高や円安など)
  • その国や周辺国の情勢(景気や紛争など)

 

などです。

国や地域によっては、日本とは違った事情や今までのノウハウが通用しない可能性もあるため、海外での不動産投資は節税以外にもよりたくさん考えるべきポイントがあります。

まとめ:不動産投資の税金対策は、収益性とリスクを含めて判断する 

不動産投資は、所得税・住民税、贈与税、相続税などの対策として検討されることがあります。

賃貸経営に必要な経費の計上、減価償却、損益通算、相続税評価、各種特例の活用などにより、税負担を抑えられる場合があります。

 

ただし、不動産投資を行えば必ず節税できるわけではありません。物件の収支、借入条件、所有者の所得状況、保有期間、将来の売却方針、相続人の構成などによって、効果は大きく変わります。

 

また、税負担を抑えられたとしても、空室、修繕費、金利上昇、売却価格の下落などによって、投資全体で損失が出る可能性もあります。

 

不動産投資を税金対策として検討する場合は、節税額だけで判断せず、収益性、資金繰り、リスク、将来の出口戦略まで含めて確認することが大切です。税務上の判断が必要な場合は、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

 

この記事の監修

杉浦 祥太
北辰不動産株式会社 流通事業本部
 宅地建物取引士
 公認 不動産コンサルティングマスター

 

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