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「グレートリセット」とは?社会・経済の変化に備える資産防衛の考え方

作成者: COCO ASSET編集部|Oct 5, 2022 2:49:46 AM

近年、インフレ、円安、金利上昇、地政学リスク、働き方の変化、デジタル化の進展など、資産を取り巻く環境は大きく変化しています。

 

こうした社会・経済の変化を背景に、「グレートリセット」という言葉が使われることがあります。ただし、これは特定の出来事が必ず起こるという意味ではなく、経済・社会・環境などの仕組みが見直されていく流れを指して使われることが多い表現です。

 

資産防衛を考えるうえで大切なのは、不確実な将来を過度に恐れることではなく、預金・外貨・金融商品・不動産などの特徴を理解し、自身の資産状況や目的に合わせて分散して備えることです。

 

本記事では、社会・経済環境の変化に備えるための資産防衛の考え方と、不動産が果たし得る役割について解説します。

 

※本記事は特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。実際の投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえ、必要に応じて専門家へご相談ください。

 

「グレートリセット」という言葉は、経済危機や社会変化をきっかけに、働き方、都市、産業、環境、資本主義のあり方などを見直す文脈で使われてきました。

 

たとえば、リチャード・フロリダ氏の著書『The Great Reset』では、金融危機後の社会における暮らし方や働き方の変化が論じられています。また、世界経済フォーラムでも、新型コロナウイルス感染症の拡大後、持続可能な社会や経済のあり方を見直すテーマとして「The Great Reset」という言葉が使われました。

 

ただし、この言葉にはさまざまな使われ方があり、必ずしも一つの明確な制度や出来事を指すものではありません。本記事では、特定の政治的主張ではなく、社会・経済環境の変化に備える資産防衛の視点として整理します。

グレートリセットのポイント

環境に関わる取り組み

地球温暖化に関連する異常気象などを筆頭に、世界では様々な環境問題について議論が交わされています。

これまでは資本主義という名のもとに、経済発展と引き換えに森林破壊など地球環境に負荷のかかる施策が見受けられました。

その結果、地球温暖化の進行に拍車がかかってしまった部分もあります。

これを打開するために、再生可能エネルギーの利用や再生可能エネルギーや環境保全に関する事業が促進されたり、環境、社会、ガバナンスへの取り組みが重要視されてきています。

ただ単に利益をあげる会社ではなく、限られた資源を有効に活用したり消費を抑えたりと環境問題にも取り組む会社が今後は必要とされると考えられています。

実際、再生可能エネルギーの市場も広がりを見せていたり、その分野で働く人も増えています。

環境、社会、ガバナンスに考慮した投資である「ESG投資」という言葉も出てきましたが、環境問題にも配慮できる会社がこれからの投資対象としても人気が出てきました。

参照:ESGとは|野村総合研究所

デジタル技術革命・ICT

グレートリセットによって、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)が進んだり、ビッグデータの活用がより進むことが予想されます。

日本でも最近は働き方において、業種にもよりますが原則テレワーク(在宅勤務)の企業も出てくるようになりました。

コロナ禍のなかでテレワークが一般化しつつあり、働き方も場所を選ばなくなるなど、新しい価値観も増えてました。

会議などもわざわざ会社に行かなくても、自宅で会議に出席したり、場所によってはシェアオフィスを借りるなど多様になっています。

また、医療現場においては「オンライン診療」もあり、患者が遠くにいても診療などを受けることができます。

このように、すでにデジタル技術は様々な分野で発展しつつあります。

グレートリセットに伴うデジタル技術の進歩によって、ビジネスから日常生活まで幅広い場面でよりデジタル技術の進歩が加速していきます。

ステークホルダー経済の推進

これまでの資本主義経済や企業活動は「株主」に重きを置いた要素が強く、いかに「利益」を出し「株価」を上昇させるかが重要視されてきました。

利益を追求していく中で環境問題を無視した企業活動や、従業員や下請けが酷使される労働問題も問題になりました。

グレートリセットの考え方の一つのステークホルダー経済は、株主や消費者だけでなく従業員や下請け、環境、社会全体などあらゆる利害関係者のことを考慮した経済のことです。

ステークホルダー経済(ステークホルダー資本主義)の推進に伴い、

 

  • 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの推進
  • 雇用格差の是正、従業員の働きやすい環境の実現
  • 取引先から社会全体、環境まであらゆるステークホルダーに配慮した企業活動が期待されています。

 

なお、ステークホルダー経済はSDGsと合わせて語られることも多いです。

企業に関わるあらゆる人に貢献できるような企業が、未来では求められるでしょう。

グレートリセットの事例・予兆

完全にグレートリセットが起こるのはまだ先の話ですが、すでにグレートリセットの兆候ともとれる出来事が海外では起こりつつあります。

例えば、中国がとっている戦略として「真珠の首飾り戦略」と呼ばれる海上交通路における戦略があります。

東南アジアや台湾、日本と海洋進出を進めていくことで、外交関係や軍事力における世界的な影響力を増すことを狙った動きです。

日本も中国との関係次第では、影響がないとも言いきれません。

またミャンマーでは、国の軍隊によるクーデターが起きています。

現在はミャンマー国内における被害ですが、これがゆくゆくは海外にも波及して最悪の場合は戦争に発展する可能性が見込まれます。

中国の真珠の首飾り戦略やミャンマーの軍によるクーデターは「マクロのリセット」ともよばれていますが、いずれも今後の世界や国内の情勢や仕組みを大きく変えることも考えられます。

逆に「ミクロのリセット」もあり、こちらは日本でもすでに兆候があります。

コロナウイルス禍以降、働き方は大きく変わりオフィスに出社して仕事をするスタイルから、「在宅ワーク」(テレワーク)が一般的になりました。

 

 

在宅ワークが流行り、オフィスへの出社が必要なくなることで働く場所や住む場所がこれまでほど問われなくなりました。

良くも悪くも「自分に合った働き方」「自分はどんなキャリアを積みたいか?」などをこれまで以上に考えるようになり、コロナ禍前と比べると大きく価値観が変わった方も多いです。

価値観が変わったという点では、副業や投資にも関心を持つ人が増えた点も含まれます。

特に投資に関連するものでは、株だけではなくFXや仮想通貨で大きく稼ぐ人も増えてきています。

世界的なグレートリセットはまだ起きていなくても、小さなグレートリセットやその予兆はすでに起きているともいえます。

税務・行政手続きのデジタル化と資産管理の透明性

日本でも、行政手続きや税務手続きのデジタル化が進んでいます。マイナンバー制度は、行政手続きにおける情報連携や添付書類の省略など、国民の利便性向上と行政の効率化を目的とした制度として位置づけられています。

 

一方で、資産を保有する側にとっては、税務申告や資産管理をこれまで以上に適切に行うことが重要になっています。不動産、金融資産、法人、相続財産などを複数保有している場合、資産の全体像を把握し、必要な申告や手続きを漏れなく行うことが求められます。

 

特に富裕層や不動産オーナーの場合、相続、贈与、法人化、不動産の売却などによって税務上の論点が生じやすくなります。制度変更に過度に不安を抱くのではなく、税理士や司法書士などの専門家と連携しながら、資産管理の透明性を高めておくことが大切です。

 

グレートリセットに向けて資産防衛

外貨資産を含めた通貨分散を検討する 

インフレや円安が進む局面では、日本円だけで資産を保有することに不安を感じる方もいます。そのため、資産の一部を外貨建て資産で保有し、通貨を分散する考え方があります。

 

ただし、外貨建て資産には為替変動リスクがあります。円安時には円換算の価値が上がる場合がありますが、円高に振れた場合には評価額が下がる可能性もあります。また、外貨預金、外国債券、外国株式、投資信託など、商品ごとにリスクや手数料、税務上の扱いも異なります。

 

そのため、「資産の何割を外貨にするべき」と一律に考えるのではなく、年齢、収入、保有資産、将来の支出予定、リスク許容度に応じて検討することが重要です。

不動産などの現物資産は、長期的な資産形成の選択肢になる

インフレ局面では、現金の実質的な価値が目減りする可能性があります。そのため、資産の一部を不動産や貴金属などの現物資産で保有する考え方があります。

 

不動産は、賃貸需要を確保できれば継続的な賃料収入が期待できる一方、空室、修繕費、金利上昇、災害、資産価値の下落、流動性の低さといったリスクもあります。

 

特に収益不動産は、購入して終わりではなく、立地、建物の状態、賃貸需要、管理体制、将来の売却可能性まで含めて検討する必要があります。

 

現物資産は資産防衛の一つの選択肢になり得ますが、単体でリスクを解消できるものではありません。預金、金融資産、不動産などを組み合わせ、全体のバランスを見ながら判断することが重要です。


リスクを回避するために分散投資

外貨や現物資産について触れましたが、リスクを回避する点でポイントになるのが「分散投資」です。

投資の世界では「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。

 

預金、国内外の金融資産、不動産、保険などは、それぞれリスクと特徴が異なります。特定の資産に偏りすぎると、その資産の価格下落や市場環境の変化による影響を大きく受ける可能性があります。

 

分散投資は、リスクを完全になくす方法ではありませんが、資産全体の値動きをならし、特定のリスクに過度に依存しないための考え方です。

 

ただし、分散すれば必ず損失を避けられるわけではありません。資産配分は、目的、運用期間、必要資金、リスク許容度に応じて検討することが大切です。

まとめ:社会・経済の変化に備え、資産全体を見直すことが大切 

インフレ、円安、金利上昇、デジタル化、働き方の変化などにより、資産を取り巻く環境は大きく変化しています。

こうした変化に備えるうえで大切なのは、特定の将来予測に過度に依存することではなく、自身の資産全体を把握し、必要に応じて分散・見直しを行うことです。

 

外貨建て資産や現物資産、不動産は、資産防衛の選択肢になり得ます。ただし、それぞれに為替変動、価格下落、空室、修繕、流動性などのリスクがあります。

 

特に不動産は、長期的な賃料収入や相続対策の観点で検討されることがありますが、立地、建物の状態、賃貸需要、借入条件、管理体制によって成果は大きく変わります。

 

社会・経済環境の変化に備えて資産を見直す際は、節税や値上がり期待だけで判断せず、収益性、リスク、流動性、将来の承継まで含めて検討することが重要です。

 

この記事の監修

杉浦 祥太
北辰不動産株式会社 流通事業本部
 宅地建物取引士
 公認 不動産コンサルティングマスター

 

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