2026年03月25日
相続対策として、収益不動産の購入を検討する方は少なくありません。
現金や更地のまま保有するよりも、資産の持ち方を見直すことで、相続時の負担を抑えやすくなるケースがあるためです。
一方で、収益不動産は購入して終わりではありません。
保有中の管理や資金計画、相続後の引き継ぎまで含めて考える必要があり、税金面だけで判断してしまうと、後々ご家族が困ることもあります。
そのため、相続対策として不動産を活用する際には、物件選びだけでなく、家族の中であらかじめ整理しておきたいことがあります。
今回は、相続対策で収益不動産を買う前に、家族で決めておきたい5つのことをご紹介します。

1.誰が中心になって管理するのか
収益不動産は、購入後も一定の手間がかかる資産です。
賃貸管理会社に委託する場合でも、最終的な判断を行うのはオーナー側になります。
たとえば、
- 修繕を行うかどうか
- 空室対策をどう進めるか
- 借り換えや売却を検討するか
- 管理会社とのやりとりを誰が担うか
といった場面では、家族の中で中心となる人がいるかどうかが大切です。
相続対策として購入したものの、親世代は高齢で対応が難しく、子世代も物件の管理に関心がないとなると、保有後の運用が負担になりかねません。
だからこそ、購入前の段階で、主に誰が関わるのか、どこまで家族で分担するのかを話し合っておくことが重要です。
2.長く保有するのか、将来的に売却するのか
相続対策として収益不動産を購入する場合でも、必ずしもそのまま持ち続けるとは限りません。
相続後も家賃収入を得ながら長期保有するケースもあれば、一定期間保有した後に売却して資産を組み替えるケースもあります。
ここで大切なのは、最初に大まかな方針を家族で共有しておくことです。
たとえば、
- 相続後も保有を続けたいのか
- どこかのタイミングで売却も視野に入れるのか
- 家族の誰かが引き継いで運用する想定なのか
によって、選ぶべき物件の考え方は変わってきます。
長期保有を前提にするなら、立地や収益性に加え、管理のしやすさや将来の修繕も見ておきたいところです。
一方で売却も視野に入れるなら、資産価値の維持や流動性も重要になります。
購入前に、**「何のために持つのか」「いつまで持つのか」**を整理しておくことで、その後の判断がぶれにくくなります。
3.相続後、誰が引き継ぐのか
相続対策として購入した不動産でも、相続後の受け皿が曖昧なままだと、かえって家族の負担になってしまうことがあります。
たとえば、
- 子どもが複数いて、誰が相続するのか決まっていない
- 不動産に詳しい家族がいない
- 相続人ごとに保有への考え方が異なる
といったケースでは、共有や売却の判断が難しくなることがあります。
収益不動産は、現預金のように単純に分けやすい資産ではありません。
そのため、将来的に誰が中心になって引き継ぐのかを、ある程度でも見通しておくことが大切です。
もちろん、購入前の段階ですべてを細かく決める必要はありません。
ただ、「この物件は誰が見られそうか」「家族の中で関心を持っている人はいるか」といった点は、あらかじめ確認しておくと安心です。
4.家族にとって無理のない資金計画になっているか
相続対策というと節税効果に目が向きがちですが、購入後の資金計画も同じくらい重要です。
収益不動産は家賃収入が期待できる一方で、
- ローン返済
- 修繕費
- 管理費
- 空室時の収支悪化
など、継続的に見ていくべき費用があります。
購入時点では問題がないように見えても、将来的に金利環境や賃貸市場の状況が変わる可能性もあります。
また、相続後にご家族が引き継ぐ場合、収支の内容を十分に把握していないと、想定以上の負担を感じることもあります。
そのため、相続対策として不動産を購入する場合は、
**「節税になるかどうか」だけでなく、「家族にとって無理なく持ち続けられるか」**という視点でも確認しておきたいところです。
5.税理士・不動産会社・家族の間で認識がそろっているか
相続対策としての不動産購入は、税務、資金計画、物件選定、将来の承継といった複数の要素が関わるため、立場によって重視するポイントが異なることがあります。
たとえば、
- 税理士は税務面を重視する
- 不動産会社は収益性や市場性を重視する
- 家族は管理のしやすさや安心感を重視する
といった違いは珍しくありません。
だからこそ、購入前には
「何を優先したいのか」
「誰がどの役割を担うのか」
「将来的にどのような形を目指すのか」
を整理し、関係者の認識をできるだけそろえておくことが大切です。
相続対策は、税金だけで完結するものではありません。
ご家族にとって無理なく引き継げる形になっているかまで含めて考えることで、より納得感のある選択につながります。
まとめ
相続対策として収益不動産を活用する場合、注目されやすいのは節税効果です。
しかし、実際にはそれ以上に、購入後や相続後まで見据えて家族で準備しておくことが重要になります。
今回ご紹介した5つのポイントは、次の通りです。
- 誰が中心になって管理するのか
- 長く保有するのか、将来的に売却するのか
- 相続後、誰が引き継ぐのか
- 家族にとって無理のない資金計画になっているか
- 税理士・不動産会社・家族の間で認識がそろっているか
収益不動産は、相続対策の有力な選択肢の一つです。
ただし、税務上のメリットだけで判断すると、後からご家族が対応に悩むこともあります。
だからこそ、購入前の段階で、家族の考え方や将来の方針を整理しておくことが大切です。
相続対策として不動産の活用を考える際は、物件そのものだけでなく、家族にとって引き継ぎやすいかどうかという視点でも検討してみてはいかがでしょうか。
ご相談をご希望の方へ
相続対策として収益不動産を検討する場合は、税務面だけでなく、保有後の管理や将来の承継まで見据えて考えることが大切です。
当社では、資産背景やご家族のご意向も踏まえながら、収益不動産の活用についてご相談を承っております。
ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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※税務・相続に関する具体的なご判断については、税理士などの専門家へご確認ください。

