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【2026年版】不動産売買で建物が滅失したら?「原始的不能」と「危険負担」を解説

作成者: 不動産投資|Nov 12, 2019 1:42:27 AM

2020年4月1日に施行された改正民法では、契約成立時から履行が不可能だった「原始的不能」と、契約後に目的物が滅失・損傷した場合の「危険負担」に関するルールが見直されました。

不動産売買では、契約締結から建物の引渡しまでに一定の期間があるため、地震や火災などによって建物が滅失・損傷する可能性を完全には排除できません。

ここでは、不動産売買における原始的不能と危険負担の基本的な考え方を解説します。


原始的不能とは

原始的不能とは、契約が成立した時点ですでに債務の履行が不可能だった状態をいいます。

たとえば、売買契約を締結した時点ですでに対象建物が火災によって焼失しており、建物を買主へ引き渡すことができなかった場合などが考えられます。

改正前の民法では、原始的不能を目的とする契約は無効になるという考え方が一般的でした。

現在の民法では、契約締結時点で履行が不可能だったという理由だけで、契約が当然に無効になるわけではありません。履行を請求することはできませんが、売主側に責任が認められる場合には、買主が損害賠償を請求できる可能性があります。

ただし、原始的不能であれば必ず売主が損害賠償責任を負うわけではありません。売主が建物の滅失を知っていたか、必要な調査や説明を行っていたかなど、個別の事情によって判断されます

危険負担とは

危険負担とは、売買契約の成立後、目的物の引渡し前に建物が滅失・損傷した場合に、その損失を売主と買主のどちらが負担するかという問題です。

たとえば、売買契約の締結後、建物の引渡し前に地震や延焼によって建物が全焼し、売主・買主のいずれにも責任がなかった場合が該当します。

現在の民法では、このような事情によって売主が建物を引き渡せなくなった場合、買主は売買代金の支払いを拒むことができます。

建物が全焼するなど、売主の引渡し義務を全部履行できない場合には、買主は契約を解除できるのが原則です。契約が解除された場合、売主は受領済みの手付金や内金などを買主へ返還する必要があります。

一方、建物の損傷が修補できる程度であれば、売主が修補したうえで契約を履行する場合もあります。実際の処理は、損傷の程度や売買契約書の特約によって異なります。

引渡し後は原則として買主が危険を負担する

建物の引渡しが完了した後は、原則として危険は買主側へ移転します。

引渡し後に、売主・買主のいずれにも責任のない地震や火災などによって建物が滅失・損傷した場合、買主はそのことを理由として売買代金の支払いを拒んだり、契約を解除したりすることはできません。

不動産を購入する際は、決済日・引渡し日と火災保険の補償開始日に空白が生じないよう、事前に確認しておくことが重要です

改正民法が適用される契約

改正民法が適用されるかどうかは、原則として売買契約の締結日によって判断されます。

2020年3月31日以前に締結された売買契約には改正前民法が、2020年4月1日以後に締結された売買契約には改正後民法が適用されるのが原則です。

また、不動産売買契約書には、引渡し前に建物が滅失・損傷した場合の処理について、民法とは別に特約が設けられていることがあります。

実際に災害や事故が発生した場合は、民法の条文だけで判断せず、売買契約書の記載内容や当事者の責任の有無を確認する必要があります。

※本記事は、不動産売買に関する一般的な法制度を紹介するものです。個別の契約における解除、損害賠償、代金支払義務等の判断は、契約内容や具体的な事情によって異なります。実際の取引については、弁護士、宅地建物取引士等の専門家にご確認ください

 

この記事を書いた人

C+One 編集部
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