更新日2026年05月20日 公開日2026年05月20日
続対策として収益不動産を検討する際、相続人が複数いるご家庭では、より慎重に考えておきたい点があります。
それは、不動産は現預金のように分けやすい資産ではないということです。
たとえば、相続人が2人、3人といる場合でも、不動産は単純に同じように分けられるとは限りません。
価格帯が近い物件であっても、立地、収益性、管理のしやすさ、修繕負担、売却しやすさなどが異なれば、受け取る側の負担感や納得感も変わってきます。
そのため、相続人が複数いる場合に大切なのは、形式的に平等に分けることだけではなく、ご家族それぞれが納得しやすく、相続後も扱いやすい形を考えることです。
今回は、相続人が複数いるときに、収益不動産をどのように考えておきたいか、そのポイントを整理してご紹介します。

相続人が複数いると、不動産は分けにくい
相続人が複数いる場合、まず意識しておきたいのは、不動産がそもそも分けにくい資産だということです。
現預金であれば、金額を分けることで比較的整理しやすい場面があります。
一方で、不動産は一つひとつ性質が異なり、まったく同じ条件のものをそろえることは簡単ではありません。
たとえば、同じように見える収益不動産でも、
- 立地条件
- 築年数
- 入居状況
- 将来の修繕負担
- 売却しやすさ
などに違いがあります。
そのため、金額だけを見て同じくらいに見えても、実際に引き継いだ後の扱いやすさや安心感まで同じになるとは限りません。
相続人が複数いる場合は、こうした不動産の特性を踏まえて考えることが大切です。
金額をそろえても「平等」とは言い切れないことがある
相続では「できるだけ平等に分けたい」と考えるのが自然です。
ただ、不動産に関しては、金額をそろえることと、ご家族が平等だと感じることが必ずしも一致しない場合があります。
たとえば、評価額や購入価格が近い不動産であっても、
- 片方は管理しやすい
- 片方は修繕負担が重い
- 片方は売却しやすい
- 片方は今後の見通しが読みにくい
といった違いがあれば、受け取る側の印象は変わります。
不動産は、数字だけで価値をそろえれば解決するものではありません。
相続後にどのように保有し、管理し、必要に応じて売却していくかまで含めて見ないと、本当の意味での負担感は分かりにくいものです。
だからこそ、相続人が複数いる場合には、形式的な均等だけでなく、その後の扱いやすさも含めて考える視点が重要になります。
大切なのは「平等」より「納得感」と「扱いやすさ」
相続人が複数いる場合、不動産を完全に平等に分けることは難しいことがあります。
だからこそ、実際には平等そのものより、納得感のある形にできるかどうかが大切になります。
ここでいう納得感とは、単に価格差が小さいということではなく、
- それぞれが引き継ぐ資産の内容を理解しやすい
- 管理や運用の負担が極端に偏らない
- 相続後の選択肢が持ちやすい
- 家族の中で説明しやすい
といった要素も含んだ考え方です。
また、相続後に実際に扱いやすいかどうかも重要です。
いくら相続時点で整って見えても、その後に誰も管理できなかったり、意思決定が難しかったりすれば、ご家族にとって負担になってしまうことがあります。
相続で大切なのは、見た目の平等だけにこだわることではなく、その後に無理なく扱える形で引き継げるかどうかを考えることだといえるでしょう。
それぞれに引き継ぐ前提で考えるケースもある
実際には、お子さまが複数いるご家庭で、それぞれに引き継ぐことを見据えて収益不動産を検討されるケースもあります。
これは、単に数を増やせばよいという話ではありませんが、相続人が複数いる場合には、最初からどう分けて引き継ぐかまで考えておく発想が役立つことがあります。
たとえば、
- それぞれが個別に保有しやすい形にできるか
- 将来の管理や判断を各自で行いやすいか
- ご家族の中で納得感を持ちやすいか
といった視点で考えることができます。
もちろん、ご家庭ごとに事情は異なるため、一律の正解があるわけではありません。
ただ、相続人が複数いる場合には、「相続税対策になるかどうか」だけでなく、どう引き継ぐと家族が動きやすいかまで含めて考えることが大切です。
共有を前提にしない方がよい場合もある
相続人が複数いる場合、不動産を共有で引き継ぐという方法も考えられます。
ただし、共有は必ずしも扱いやすい形とは限りません。
共有になると、
- 修繕や売却の判断に意見調整が必要になる
- それぞれの考え方の違いが表れやすい
- 将来的にさらに権利関係が複雑になることがある
といった点が課題になることがあります。
もちろん、ご家族の関係性や保有方針によっては共有が適している場合もあります。
ただ、不動産は長く持つほど判断の場面が出てくる資産でもあるため、相続後の運用や売却まで見据えると、共有ありきで考えない方がよいこともあります。
相続時の分け方を考える際には、相続した後に意思決定しやすいかどうかも、あわせて見ておきたいところです。
相続前に家族で整理しておくことが大切
相続人が複数いるご家庭では、相続が発生してから初めて考えるのではなく、できるだけ早い段階でご家族の考え方を整理しておくことが望ましいといえます。
たとえば、
- 誰がどのような資産を引き継ぐことを想定するのか
- 収益不動産を保有し続けたいのか
- 将来的に売却も視野に入れるのか
- 管理や判断は誰が担うのか
といった点を、事前に話し合っておくことで、相続後の混乱を抑えやすくなります。
とくに不動産は、いざ相続が発生してから短時間で結論を出すのが難しい資産です。
だからこそ、相続人が複数いる場合は、平等に分けることだけを目指すのではなく、納得しやすく、扱いやすい形を事前に考えておくことが大切です。

まとめ
相続後に収益不動産を保有するか、売却するかを考える際には、まず今の家族にとって無理なく扱える資産かどうかを見直すことが大切です。
相続人が複数いるとき、収益不動産は現預金のように単純に分けやすい資産ではありません。
そのため、金額だけをそろえても、必ずしも平等で納得感のある相続になるとは限りません。
こうした場合に大切なのは、次のような視点です。
- 不動産はそもそも分けにくい資産であることを理解する
- 金額だけでなく、その後の扱いやすさも見る
- 平等そのものより、納得感と管理のしやすさを意識する
- それぞれに引き継ぐ前提で考えるケースもある
- 共有ありきで考えず、将来の意思決定のしやすさも確認する
- 相続前の段階で家族の考え方を整理しておく
収益不動産は、相続対策の選択肢として有効な場合があります。
ただし、相続人が複数いる場合には、税務面だけでなく、どのように引き継ぐと家族にとって納得しやすいかまで考えることが重要です。
形式的な平等だけにこだわるのではなく、ご家族にとって無理なく扱える形を目指すことが、将来の「争族」を避けるうえでも大切な視点になるのではないでしょうか。
ご相談をご希望の方へ
相続人が複数いる場合の収益不動産は、税務面だけでなく、引き継ぎ方や管理のしやすさまで含めて考えることが大切です。
当社では、ご家族の状況や資産背景も踏まえながら、収益不動産の活用についてご相談を承っております。
ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください 。
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※税務・相続に関する具体的なご判断については、税理士などの専門家へご確認ください。
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