2018年05月14日

山手線・京浜東北線の新駅「品川新駅」付近を歩く

2020年の暫定開業を予定しているJR山手線と京浜東北線の新駅。仮称として「品川新駅」と呼ばれている通り、田町駅と品川駅の間に新設される予定で、暫定開業後も周辺の開発を進め、2024年の本開業を目指しています。

2018年5月16日はオリンピック開幕までちょうど800日。このタイミングで、新駅建設予定地付近を実際に歩いてみました。

 

※写真以外のCG・地図は全てJR東日本のプレスリリースより抜粋したものです。

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 【鳥瞰イメージ図:(日本の伝統的な折り紙をモチーフとした大屋根)】
※パースは現時点でのイメージであり、実際とは異なる場合があります。
※町へ接続するデッキ・屋根については協議中です。
出展:JR東日本のプレスリリース

 

◆賑わいのある国際的な交流拠点を目指す

本プロジェクトでは、新駅と併せて約13haという広大な敷地での駅前開発が計画されており、駅を作るというより、新しい街を創るという表現のほうがぴったりします。

JR東日本が発表しているまちづくりコンセプトによると


  • ・世界中から企業と人材が集い、多様な交流から新しい価値が生まれる国際的な交流拠点の形成
  • ・新駅前には、人・駅・町・地域を繋ぐ、賑わいと魅力のある人中心の広場空間(2階レベル)を創出
  • ・歴史や文化が感じられ、歩いて楽しい、歩きたくなるような自然豊かなまちづくりを目指す

とあり、暫定開業を東京オリンピックが開催される2020年にしたことからも、重要なターゲットとしてインバウンド需要を考えていることは間違いありません。
日本の伝統的な折り紙をモチーフにした大屋根をはじめ、膜や木を活用した「和」の雰囲気を感じるデザインにしている点も注目です。

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【街区側外観イメージ図:(「えき」から「まち」を見通すことができる大きなガラス面】
※パースは現時点でのイメージであり、実際とは異なる場合があります。
※町へ接続するデッキ・屋根については協議中です。
出展:JR東日本のプレスリリース

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【駅舎内観イメージ図:(「えき」と「まち」をつなぐ大きな吹き抜け空間)(障子を連想させるやわらかな光と木を感じる空間)】
※パースは現時点でのイメージであり、実際とは異なる場合があります。
出展:JR東日本のプレスリリース

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【駅舎内観イメージ図:(車両基地を見渡すことができるイベントスペース)】
※パースは現時点でのイメージであり、実際とは異なる場合があります。
出展:JR東日本のプレスリリース

 

「品川新駅」予定地周辺MAP
※番号は各写真の撮影位置、写真は全て2018年4月26日時点のものです。

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①品川駅 港南口(東口)

NTTやソニーの本社がある品川駅港南口は高層ビルが並ぶオフィス街です。

品川駅 港南口(東口)

②区立芝浦中央公園から建設予定地を望む

品川駅北東部には公園が整備されています。高台のため、新駅予定地が良く見えました。

区立芝浦中央公園から建設予定地を望む

 ③駅予定地の東側エリア
東側には大手企業の本社ビルやタワーマンションなど、高層ビルが林立しています。

駅予定地の東側エリア

④新芝運河沿緑地 

運河周辺は遊歩道や簡単なアスレチック設備などがあり、付近の住人やビジネスマンの憩いの場として整備されています。

新芝運河沿緑地 

⑤札の辻橋付近

江戸時代の初めに高札場(幕府や領主が決めたお触れなどを掲げる場)が設けられていたことから札の辻と呼ばれるようになったそうです。1616年には江戸への出入りを監視する芝口門が建てられ、1710年に新橋に建替えられるまで江戸の玄関口として機能していました。400年を経て、リニアモーターカーの始発がここ品川に作られるのも、何かの縁でしょうか。

札の辻橋付近

⑥都営浅草線 泉岳寺駅

泉岳寺の前にあるためこの名が付けれらていますが、実は「泉岳寺」という地名は無いそうです。さらに、泉岳寺側は寺の名前を駅名への使用を停止するため裁判を起こしています。(最高裁まで行きましたが、原告敗訴で確定しています)

都営浅草線 泉岳寺駅

 

⑦泉岳寺

忠臣蔵で有名な赤穂浪士と浅野内匠頭が葬られていることで有名な泉岳寺。門の横には大石内蔵助の立像もありました。

泉岳寺

⑧西側寄り建設予定地を望む
品川新駅となる品川車両基地の跡地付近。まだ具体的な工事は始まっていないようです。

西側寄り建設予定地を望む

⑨品川駅 高輪口(西口)
オフィス街の港南口と違い、ホテルや飲食店が目立つ高輪口です。

品川駅 高輪口(西口)

2024年の本格開業の後も2027年にはリニア新幹線の始発駅としても予定されており、今後、最も楽しみなエリアの一つと言えるのではないでしょうか。